環境パートナーシップエコサロン

「千葉の廃棄物事情―残土・産廃が房総の風土を壊す!」

平成14年2月15日
藤原 寿和 氏(残土・産廃問題ネットワーク・ちば代表)  

 今回の講師は東京都環境局の職員であり、残土・産廃ネットワーク千葉の 事務局長でもある藤原寿和さん。今から20年ほど前に浦安沖に人工の島を作ってごみ処分場を 作るという計画に東京湾にゴミを埋めるということが納得できず反対運動を始めたが、 じゃ、ゴミはどうすればよいのかと言うことで、廃棄物問題にも関わるようになったとのこと。 以来、廃棄物、残土、化学物質問題などに、専門知識を活かして全国の住民運動の強力な 助っ人になっている。

千葉県の廃棄物問題
 千葉県は、急激な都市化や工業化が進み多量の廃棄物が発生した上、 首都圏に近く埋立てしやすい地形が多いところから県外からも多くの廃棄物、 残土が持込まれ、廃棄物問題が深刻化している。
 廃棄物は、焼却、埋立て、中間処理の段階での問題と、不法投棄の問題がある。 焼却については、ダイオキシン発生による健康被害。更にガス化溶融など、施設の高度化、 大型化での対応は資源循環型の社会構築に逆行する。 埋立てでは、地下水への影響が心配される。実際、有害物がないはずの安定型処分場でも黒い水や 悪臭のあるところも多い。また、埋立て処分場の火災も多く、有毒ガス、ダイオキシンの発生も 当然あると思われる。
 中間処理としては、リサイクルセンターでの破砕の際に水銀など有害物が発生する。 神奈川県の粗大ゴミ破砕場で大気中の水銀を測っているが、かなり高い。 破砕はかなりの高温になるので、ダイオキシンの発生も考えられる。また、爆発事故はかなり多い。 市原や銚子の不法投棄のゴミには東京都の指定ゴミ袋に入ったものが多い。 これは東京都の事業系一般廃棄物の有料化に伴い、不法投棄されたものと思われる。 また、医療廃棄物が混入されていたり、中にドラム缶が埋められているとの噂もある。 警察にも環境犯罪対策室が設置され、取り締りを強化し市原、銚子を重点的に監視しているが、 長南、長柄、茂原などに移動している。罰則もまだまだ甘く、不当に得ている利益を全て 没収する位でないと効果が上がらない。

自社処分の問題
 建築物の解体事業者が建築廃材を自社処分する際は許可を必要としないところから、 自社処分として実際には他社の廃材を引受けていたり、火災をおこすなどの問題が多発している。 堂本知事は就任当初から自社処分の不法投棄防止ための条例づくりを目指し、ほぼ、固まってきている。 しかし、条例ができても職員の体制ができなければ、実効は上がらない。 市町村で監視員制度などもできつつあるが、権限のある職員が必要である。

残土の問題
 東京オリンピック時の首都大改造で大量に出た残土が千葉に運ばれて以来、 千葉県自体も開発で発生した大量の残土で埋立てなどを行ってきた。 産業廃棄物規制が強まるのに伴い、まずは不法投棄が増え、 続いて残土の中に紛れ込ませるようになった。 そこで1997年千葉県は全国にさきがけ、残土条例をつくり、許可制にしたが、 周辺住民の同意は必要でなく、汚泥や焼却灰などの混入では残土との区別が付かず、 申請すれば許可される状況になり、却って千葉県への残土搬入が増える結果となった。 有害物の入っていない残土は埋立てに必要との主張もあるが、環境生態系の保全から、 表土をはぎとり、別の場所を埋立てるという土地や自然そのものの改変の 是非も考えていかなければならない。

法律や条例の問題
 廃棄物に関しては廃棄物に関する処理法や条例、指導要綱の他に農地法、森林法、 自然保護法など多岐に亘り、12課の担当部局があり、横に連絡組織を設けてはいるが、 さらに、残土全般にわたる条例で規制していくことが望まれる。 また、廃棄物に関する届出や検査は保健所の管轄になるが、 保健所は書類審査で殆ど現場に行くこともなく、 住民の健康被害や安全性確保については後ろ向きの対応が多い

今後の課題
<廃棄物行政から資源循環行政へ>

 1993年、「ふるさと千葉のごみ問題を考える懇談会」は当時の沼田知事に、将来の目標として、 廃棄物ゼロ社会の実現、資源循環型の社会構築、地球や環境にやさしい暮しや事業活動の普及等を挙げ、 施策展開、県の組織体制強化についての具体的な提言を行っている。これらは現在を先取しており、 それに従って施策がすすめられれば、千葉県は資源循環行政として先進県になれたはずである。
 現在の施策として、ゴミ発電などはゴミ削減にブレーキを掛けるなどから賛否両論あり、また、 産業廃棄物処理に公共の関与や、逆に公共の廃棄物処理にPFI (Private Finance Initiative民間資金等活用事業)の推進が言われているが、 いずれも責任の所在が不明確になり、事故処理には税金が使われること、有害物の混入などは 生産者しかわからない情報があることからも、生産者責任で工場に戻すべきだと思う。
 資源循環をめざして、リサイクル法はできたが、ゴミ削減4Rのうち最下位で一方方向の リサイクルでは、破綻するだろう。製品はリサイクル工場ではなく、工場に戻して有害物を取除いて もう一度利用しなければ、リサイクルとは言えない。 幸い、千葉県は京葉コンビナートでプラスチック工場などもあり、 製品を工場にもどすことを積極的に進めるべきだと思う。
<跡地汚染問題>
 新しい課題として、工場や処分場の跡地で汚染が見つかることが増えてきている。 古い工場や処分場は安全対策もされておらず、土壌汚染にとどまらず、地下水汚染を招くことからも、 早急な調査と対策が望まれる。 

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