| 10月のエコサロンで、生活協同組合などに科学者の立場から助言をしている川口啓明さんにお越し頂き、石けんと合成洗剤を中心に水問題のお話を伺いました。かつて環境汚染や健康問題に関連して、石けんか、合成洗剤か、の議論があり、廃油石けん作りの活動などが盛んでしたが、現在は問題点のほとんどが絞れているとのことでした。 |
| <石けんか合成洗剤か> 現在石けんも合成洗剤も安全性の面では差がなく、製品の材料によって長短がそれぞれにあるが、メーカーの商品改善、下水処理の普及なども大きく貢献し問題点は少なくなってきているようです。そして、汚染の対策は汚染物質を環境に垂れ流さないことが第一であると話されていました。 |
| <生活排水の浄化> 生活排水の代表はし尿や台所・風呂・洗濯の排水であること、その汚水の流れと処理を千葉県を例にとって、いくつかの汚水処理を比較しながら、都市部の対応は進んでいるが、対応しきれていない地域の取り組みが当面の課題の1つであると指摘されました。 汚水処理によって出来た沈殿物は活性汚泥あるいは汚泥と呼ばれ、従来は埋め立て処分が行われていたが、最近は、微生物の死骸の塊であることから肥料としたり、焼却してセメント原料やレンガにするなどのリサイクルが進んできているとのことです。ただし、汚水処理から生まれた原料を基にしているため、品質が一定しない弱点があり、汚水問題のもう1つの課題とのことでした。 |
| <それでも石けんのほうが環境にやさしいと言う主張> この主張は生活雑排水の環境への垂れ流しを前提としており、汚水処理を行えば、合成洗剤であれ石けんであれ、ほとんどが分解される。汚水処理が行われれば、石けんが小魚の餌になることも、水生生物への合成洗剤の微弱な毒性を気にする必要もない。環境への汚水の垂れ流しを前提にした話でおかしい。 |
| <石けんは生分解性がよいのでBOD値が高くてもよい・・・> 生分解性と水質汚濁の指標としてのBODとを誤解、混同している。し尿も生分解性は良くBOD値も高い。石けんが良いなら、トイレ排水も河川や海洋に垂れ流しても良いということになる。 |
| <廃油石けんの取扱> 廃油を使った石けんの手作りは、環境教育や理科教育としての実施に限定するならまだしも、家庭や地域での日常的な活動として位置付けることは危険が大きい。 水酸化ナトリウムは苛性ソーダとも言うが、文字通り危険な薬品で、高温処理する。現在、使用する薬品等の知識がない者が日常的に行なうことを奨めている行政はないのではないか。 |
| 今回のエコサロンで、川口さんのお話を伺い、長い間、石けんと合成洗剤の問題で疑問に思っていたことが、眼からうろこのような感じで理解できました。 |
| (文責:千葉智雄) |
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